実際に、こんなご相談をいただくことがあります。
歯が複数の箇所でなくなっています。インプラントが理想ですが、費用も高額なので、入れ歯も検討しています。今の状態がとても恥ずかしく、自分に合う医院を見つけて、治療に専念したいと思っています。
このお悩みに、院長がお答えします。
まず、このご相談を読んで私が最初に思ったこと。「恥ずかしい」という一言を、文字にして送ってくださるまでに、どれだけの時間がかかっただろう、ということです。
「恥ずかしい」の中身を、一緒にほどいていきます
カウンセリングで私が必ず伺うのは、「今、何が一番おつらいですか?」ということです。
人前で口を開けて笑えないことですか。それとも、うまく噛めなくて、人と一緒にご飯を食べるのが気まずいことですか。同じ「恥ずかしい」でも、中身は本当に人それぞれなんです。そこがほどけてくると、「じゃあ、あなたの場合はここから始めましょう」という道すじが見えてきます。
ちなみに、この話をすると多くの女性の方がおっしゃるのが、「コロナ禍のマスクの時代はラクだった」ということ。わかります。でも私は、マスクを外して笑える毎日を、一緒に目指したいんです。
「どうして今まで来られなかったんですか?」― 責めるためではありません
もうひとつ、私が必ず伺う質問があります。「どうして、今まで来られなかったんですか?」
責めているのではありません。逆です。ここまで我慢してこられたのには、絶対に理由があるんです。歯医者が怖かった。お金のこと、家族のこと、仕事のこと。お話を伺っていくと、最初はぽつり、ぽつりだったのが、だんだん深いところまで話してくださるようになります。
「やっと来られました」― ある患者さんのお話
以前、同じようなお悩みの方がいらっしゃいました。40代の女性で、上の歯は全部なく、下の歯も2、3本がグラングランという状態でした。
この方にも、同じように伺いました。繰り返しますが、責めてもいませんし、怒ってもいません。この方の本当のお悩みが知りたいだけなんです。すると、こう話してくださいました。
「どんどん歯がなくなってしまって、男性の歯医者さんに見られるのが恥ずかしくて、行けなかったんです。やっと女性の歯医者さんを見つけて、来ました」
その言葉を聞いたときの私の気持ちは、もう「私に任せてください!」です。この方とは、「まずは保険で入れ歯を作ってみましょう」というところから、一歩ずつ治療を進めています。
「食べれてます」、本当に?
患者さんが「食べれてます」とおっしゃっても、よくよく伺うと「すごく細かく切って食べています」だったりします。
そこで私、言っちゃうんです。「それ、食べれてないじゃない。味がしないじゃない」って。
お肉だったら、グッと噛んだときに溢れてくる、あの美味しい肉汁。そういうものを楽しめて、はじめて「食べれてる」ということですよ ― そうお伝えすると、忘れていた何かを思い出したような顔つきになられる方もいらっしゃいます。その「食べる楽しみ」ごと取り戻すことを、一緒に目指しませんか。
インプラントか、入れ歯か。決めつけずに考えましょう
「インプラントは高額だから、入れ歯しかない」と思っていらっしゃるかもしれません。でも、どちらが合うかは、お口の状態と、あなたが何を大切にしたいかで変わります。最初から答えを決めつけず、一緒に考えさせてください。
ひとつだけ、私の考えをお伝えするなら ― 歯って、値段のつけられない身体の一部だと思うんです。これから何十年、あなたと一緒にご飯を食べていく相棒ですから。だからこそ、じっくり選びましょう。
「今度こそ」の気持ちで、スタッフ全員がお迎えします
当院にお越しになる患者さんは、いろいろな歯医者さんで治療をして、でも何かうまくいかなくて、という方が多い気がします。ですから正直に言うと、歯科医への信頼というか信用が、少なくなった状態でいらっしゃることもあります。
もちろん、以前に治療された歯科医の先生がダメだった、ということではありません。その状況の中で、精一杯治療されていたはずです。それでも結果として患者さんが満足できなかったのだとしたら ― 同じ歯科医として、「今度こそ満足していただきたい。うちを選んでよかった、と感じてほしい」。その気持ちで、スタッフ全員が対応しています。
「もう遅いのでは」と思っている方こそ、お待ちしています。
